小学生男子とビジネスクラス
飛行機で移動の際、ビジネスクラスを目にすることがあります。
広いなー、ご飯美味しいのかなー、フルフラットにしてもええんやなー、と羨望の眼差しで見てしまうビジネスクラス。
大人でも初めてだと緊張するその場所に、小学生男子を乗せてみたらとっても良かったことを共有させて下さい。
Each LISTs
飛行機に乗り込む前にすることリスト
- 7時間を超える程度のフライトでビジネスクラス座席を予約する
- 予約した航空会社のHPで実際に座るお席の予習をする
- 対象路線のお食事をサイトで確認し、子供が食べられそうな方のリクエストを入れておく
- メインの和・洋食以外の単品メニューから子供が食べたいものを決めておく
- 子ども用目薬を購入する
- 枕がわりになるお気に入りのぬいぐるみを一つ以上確保
- 子供用歯ブラシ、歯磨きジェル、クリームなどは持ち込めるように準備
- 楽チンな服(ルームウェアなど)に搭乗前に着替えさせる
飛行機に乗ってから〜降りる前までにすることリスト
- 生まれて初めてビジネスクラスに乗ることを乗務員さんにアピール
- ぬいぐるみ、目薬、クリームなど必要なものを手の届く場所に置いておく
- ベッドマットや枕、ヘッドホンなどは全て袋から出し、所定の場所に準備する
- 素敵なアメニティは保護者が先に回収しておく
- 座席位置コントロール方法を実際に動かしながら教えて、事故のないフライトにする
- ドリンクは蓋+ストロー付き紙コップに入れてもらうようお願いする
- 食事はこどものお腹の空き具合を優先し、適時、CAさんにアレンジを相談
- 機内エンターテイメント鑑賞時は30分〜1時間ごとに目を休めさせる
- ビジネスクラスのトイレは空いている為、このチャンスを生かして飛行機のトイレに1人でいけるよう保護者と子供で練習してみる
- CAさんと子供の会話を尊重する(保護者が割り込みすぎない)
Explanation for each LISTs
飛行機に乗り込む前にすることリストの解説
ビジネスクラスを楽しむには、少なくとも7時間以上のフライトがおすすめです。
座席の広さ、モニターの大きさ、フルフラットシートの睡眠、基本の食事からアラカルトメニューや多種類のドリンク、CAさんの手厚いサービス、行列のないアメニティの揃ったトイレなどなど時間が足りないくらいです。
そんな場所に好奇心旺盛な子供を入れてみたら、興奮しまくるんじゃないだろうかと心配になってきます。ですので、事前に航空会社のHPにあるビジネスクラスのご案内を見せておきます。
機内のおおよその雰囲気、座席の配置や食事が紹介されるムービーはとっ散らかった興奮を静かなる期待に変えてくれるはず。
ここで、搭乗路線のお食事メニューにも注目。
和・洋食それぞれ、どれも趣向を凝らした素晴らしいものです。ただし、子供の口に合うかどうかは個人差が大きく影響します。ビジネスクラスではアルコールの種類が豊富なため、アミューズなどはおつまみ要素の強いものが出てきます。全体のメニューを見比べて、食べられそうなものが多い方を事前にリクエストしておくと良いでしょう。
加えて、アラカルトメニューに子供達が好きな、たこやき、ラーメン、うどんなどが載っていることが多いです。大人向けのコース料理を我慢して食べるより、最初から単品メニューをもらうのも手です。後から「あれ、食べたかったなー」と残念に思うこともありますので、子供の希望を聞いておくと良いです。
座席モニターがエコノミーより大きいと映画やゲームもより一層楽しめます。ついつい集中して長時間になりますので、目薬は必需品。
モニターと座席位置間の調整や座席周囲の隙間を埋めるのに、柔らかめのぬいぐるみたちが役に立ちます。いつも一緒のお気に入りなら、リラックス効果もあり旅が楽しめます。お洋服は体を締め付けないルームウェアなどが最適です。
子供用アメニティはありませんので、いつもの歯磨きセットとクリームが必要です。
最近の飛行機内の乾燥は以前に比べて緩和されました。それでも、乾燥しやすい子供には専用の保湿剤があると安心です。拭き取り+保湿機能の製品も良いです。以下のような、親子で一緒に使えるものなら荷物も増えません。
飛行機に乗ってから〜降りる前までにすることリストの解説
機内に入る時にいらっしゃる乗務員さんや、座席についてから来て下さるCAさんにビジネスクラスは初めて!と嬉しい気持ちを伝えます。この一言で何かと気にかけて下さいますし、希望すれば初ビジネスクラス搭乗記念のカードも書いてもらえます。
慣れたふりや向こうに気づいてもらおうとするのはご法度です。こちらから、ビギナーとして楽しむ気持ちを伝えましょう。
座席についてからは、さくっと親の方でベッドパッド、ブランケット、枕をすべて袋から出し、足元の空いているスペースに入れておきます。ブランケットや枕は座席に対して体の小さい子供なら、背中部分のクッションに使えます。
これらをしておかないと、後々「おかーさん、これー」「おとーさん、これじゃまー」とかややこしいです。
彼らが快適にくつろげるよう、居場所を作ってしまいます。当然、目薬やクリームなどの必需品は親も子も手が届く範囲に、小さいカバンに入れて設置。
ヘッドフォンはセッティングだけしてまだ使わせません。
ビジネスクラス用アメニティは小学生男子には石ころほどの価値もありませんので、汚れる前に回収。自分で使うも良し、希望する方にお譲りするも良しです。
スッキリしたところで、男子の大好きなリモコンを触らせます。
座席のコントロール方法や各ボタンの使用方法を教えます。実際に本人にやらせてみることが大切です。その際、親の方でも手を挟みそうなところや、危険だと思うところを一緒に確認します。座席周囲のほかの可動部分も同様に見ます。
この作業は子供にとって相当楽しいので、全く嫌がらずに行うはずです。自分専用で動かせる座席とテーブルや棚はわくわくするものです。
しばらくすると離陸前にドリンクサービスがあります。
子供にも非常に丁寧に好みを聞いて下さいます。この時、一人のお客様として扱われた場合、ドリンクが通常のグラスで出てきてしまいます。子供は9割こぼすでしょう。
必ず、親が「蓋とストロー付きのコップでお願いします」と言いましょう。
慣れない環境だと、割と大きめの子でも飲み物を溢してしまうことがあります。座席や持ち物が濡れると長いフライトでは辛いので、ここは特に注意して下さい。
食事は事前にリクエストを入れていても、搭乗時のこどもの状態で相談出来ます。
ラウンジでうどんを食べた、空港の美味しいお店に立ち寄ったなど、子供はいろいろありますので無理せずコース料理はパスしてOK。いきなりデザートだけもらうのも可能です。
もったいないと思い我慢して食べると、飛行機の時間が楽しめません。
パターンとしては、お腹が空いていてコースが食べられるならとりあえず全部お願いしてみる。その際も子供が苦手なものは遠慮なく残す。とにかく無理はしないことです。
正直言って、アラカルトのたこやきやお好み焼きの方がスムーズに過ごせます。コースだと、一皿ごとに「これ、食べられるかなあ?」「わさびがついてる、とってー」など落ち着かない食事になりがちです。高学年くらいの子なら大丈夫かもしれません。
さて、食事のお皿が下げられたら、アイスなど食べながら機内エンターテイメントを楽しみます。ヘッドフォンは音の調整をした上で装着させましょう。
コードがよくひっかかりますので、飲食物に注意です。モニターが大きい分、夢中になって長時間見てしまう子もいると思います。親の方で適時声をかけて休憩させましょう。短時間でも近距離で集中して見続けると仮性近視の原因となります。
ちょっと眠くなってきたところで歯磨きついでに、トイレに一緒に行きましょう。
飛行機のトイレには英語の表記があったり、使い方もいつものトイレと少し違うところがあります。ひとつずつ教えて、子供が一人でトイレに行けるように練習させます。
ビジネスクラスは人数あたりのトイレ数が多いので、遠慮せず行けると思います。普段と違う状況でやりとげることはどんな小さなことでも自信になると思うのです。あと、ちょっとした度胸がつきます。CAさんが非常によく見ていてくれますので、チャレンジしてみて下さい。
どのお客さんにも等しくサービスして下さる飛行機のクルーの皆さん。
子供に対しても、わかりやすく丁寧に対応されます。CAさんが忙しくなさそうな時は子供自身に対応させます。このように・・・。
CAさん「こちらは下げても良いですか?」
子供「まだ、食べます・・・」
CAさん「次のお肉はお持ちしてもよろしいですか?」
子供「はい!」
CAさん「朝食は何が良いですか?お魚とお味噌汁、ごはん、ヨーグルトもありますよ」
子供「ヨーグルトとフルーツと・・・アイスクリームのバニラ・・・下さい」
親「冷たいもんばっかりやないかいっ」
こんな感じで素敵なコミュニケーションがとれます。礼儀正しい対応が身につきますので、ぜひとも子供主体で関わってみて下さい。
Our Personal Experiences
ビジネスクラスは工夫して予約すれば、そこまで高価なものではないです。繁忙期を外せば手が届くお値段になっていることもしばしば。
移動そのものを旅行の楽しみに出来ますし、空港でラウンジが使えたり、良いことがたくさんあります。
我が家はカナダに行く際にANAのビジネスクラスを利用しました。
私自身も初めての座席にとても緊張しましたが、それを超える楽しさがありました。大人の私が相当な喜びようでしたので、子供はその100倍くらい楽しんでいたと思います。
彼の行動が楽しくて面白くて、可愛らしかったです。
乗った時から座席動かしまくり。しばらく隣でうぃーーん、うぃーーーんと定位置を決めてました。旅のお供であるぬいぐるみたちをテーブルに出し、数匹は隣に詰め込む。
機内エンターテイメントはマーベル映画、ドラえもん、クレヨンしんちゃんと総なめ。
リクエストしていた洋食だけが、塩味が強かったり、大人向けの味付けが多かったため小学生には難易度が高かったです。
2度目に乗った時は、初めからデザートを頼みました。
ただ、このデザートも写真にある手前のマンゴームースがサフラン風味の非常に乙な味であったためギブアップしています。奥のベリーとチョコケーキは絶賛でしたが。
ビジネスクラスに乗るまでは、すごく働いてる大人の人やお金持ちの家族が乗ってるんだろうとスネ夫的な家族を想像していましたが、実際は非常に様々なお客さまがいらっしゃいました。
夜便でカナダに行った時は、母子2人組みが私たちを含めて4組!でした。子供をしっかり寝かせることが出来るので選択されているようで、皆さん搭乗後早くに寝ておられました。お子さんの中には、アラカルトメニューを頼んで待っている間に寝てしまい、お母さんが代わりに食べていらっしゃったり。
本当に、それぞれだなぁと感じました。我が子は寝るなんてもったいない、と映画を見て、おやつを食べ、途中2時間ほど寝ただけでした。フルフラットシートをもっと使ってほしかった・・・・。ま、普段乗らないから仕方ない。
感心したのは、クルーの皆さんが丁寧なため、子供も丁寧になっていくところです。
普段の生活で囲まれている大人とは少し違う、子供扱いし過ぎず、かといって大人扱いでもない、相手に合わせた話し方をしてくれる人。その話し方が学校では聞いたことがないほど、美しい。子供自身も自分を大切に扱われていることをひしひしと感じるはずです。数々のテーブルサービスや子供用お土産の選択なども一つ一つ自分のためにしてくれているのを感じると、自分への肯定感が正しく増すようでした。
朝ごはんのオーダーをCAさんと子供が二人で話して決めているのを、寝たふりしながら聞きました。限りなく優しい声で、朝からアイスを頼んでおりました・・・。
CAさんの手で、フルーツ・ヨーグルト・アイスが彼の前に美しく並べられる光景は眩しかったです。本人も、アイスはもちろんのこと、ヨーグルトがめちゃくちゃ美味しかったと話していました。いつものダノンでしたが、大事にされると美味しくなるんです、きっと。
子供の時だからこそ、体験できる感覚かもしれません。
フライトの時間が濃密で本当に楽しい思い出になると思います。
ビジネスクラス、小学生男子を乗せて損はありません。
(損はないとかいっているところが、大人のあかんところですね・・・。)